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すし検定学習

三. すしの栄養学

すしは健康食として海外でブームとなっております。様々な長所を見つけてバランスよく召し上がって下さい。





01. 成人病予防

光もののすしにはコハダやアジ、サバ、イワシなどの青魚が多いのが特徴です。これらの青魚の脂肪含有量はマグロのトロなどと比べるとはるかに少ないのですが、味覚上はかなり脂っこく感じられます。

青魚の脂肪成分は高度不飽和脂肪酸と呼ばれ、皮や魚肉の表面に浮いています。このため脂っこさを感じるわけですが、この脂肪酸には血中のコレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化を防ぎ、心臓疾患や脳卒中、糖尿病、腎臓病などにも有効なEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が多く、つまるところ成人病予防に効果が期待できるすしダネなのです。さらに、皮にはビタミンAも多く、栄養面では大きな利点です。






02. 美肌効果

ヒラメは、高たんぱく、低カロリーで消化吸収のいいタネです。コラーゲンといわれる肌を美しく保つ成分を含むので、女性にはおすすめです。








03. 疲労回復

タコは、以前はコレステロールが高いと敬遠されていましたが、タウリンが豊富なので心配する必要はありません。
タウリンの働きで、疲労回復に効果があります。クルマエビもコレステロールが多いですが、同時にコレステロールを減らす働きのあるタウリンも含むので安心して楽しめます。高たんぱく、低脂肪で、カルシウムも多めです。イカ類は、どれも良質のたんぱく源です。






04. ガンを予防

ビタミンA、C、Eと食物繊維を十分に摂ることです。ビタミンAはガンの促進因子を抑制し、Cは発ガン物質の生成を抑制、Eは体細胞の老化防止の働きがあります。さらに、食物繊維は腸をきれいにして大腸ガンを防ぐ効果があるといわれています。
アナゴは、煮つめをぬると、ややカロリーが高くなりますが、ビタミンAの素晴らしい供給源となるタネです。また、かんぴょうには食物繊維を多く含むので、塩分を控え、醤油をつけずにそのまま食べる事をおすすめします。






05. 疲れ目には

ビタミンAが豊富なネタとして、順にウナギ、アナゴ、ウニがあり、粘膜を丈夫にし、目の疲れにも効果があります。老化防止に役立つビタミンEも多く含みます。






06. 野菜ネタの効能

・貝割れ
野菜のすしとしてもっとも馴染みがあり、各種ビタミン、ミネラル、食物繊維に富むので、魚介のすしに不足しがちなビタミンが補えます。
・梅しそ巻
梅干し老化防止、高血圧の予防、疲労回復などの働きがあり、体を弱アルカリ性に保ちます。しそにはビタミン、鉄分などが多く、魚介にない栄養素を補えます。
・山芋巻
山芋のぬめり成分にはたんぱく質を有効に活用させるムチンという物質が含まれており、疲労回復に効きます。また、消化を助けるジアスターゼも多く含みます。
・かんぴょう巻
便秘や大腸ガンに効果のある繊維を含みますが、塩分が多いので醤油をつけずにそのまま食べてもいいでしょう。






07. 各すしダネの栄養価

魚介の栄養素と効用
魚介効用
マグロ赤身一般に、赤身の多い魚は運動量が多く、マグロは時速60km以上で大回遊します。マグロの赤身は背身に多く、脂肪分が少なく、鉄分、ミネラルが多いのが特徴です
中トロ良質の脂肪酸を含み、赤身の栄養素も摂取できるバランスの良いタネです。カロリーは大トロの3割減
大トロウナギ以上に多量の脂肪を含み、カロリーも高いですが、頭を良くする効果のあるDHAをもっとも多く含んでおり、成人病予防によいEPAの含量もかなり高いです
カツオ昔から滋養に良い魚といわれていますが、ビタミン、ミネラルのほか、DHAも豊富に含みます
タイアミノ酸の組成の良さが味と栄養価を高めています
ヒラメ高たんぱく、低カロリーで消化吸収のいいタネです。コラーゲンといわれる肌を美しく保つ成分を含むので、女性にはおすすめです
スズキ白身の魚ですが、脂溶性のビタミンDを多く含み、カルシウムの吸収を高める効果があります
ハマチビタミン、ミネラルが豊富な上、良質の脂肪酸をたっぷり含みます。天然ものの方が栄養価はすぐれています
コハダカルシウムの含有量が素晴らしく、牛乳の1.5倍にもなり、鉄分やEPAも多く含まれています
サバ脂質の代謝を助けるビタミンB2を含み、DHAの含有量は光もののタネではトップを誇ります
アジコレステロールを減らして動脈硬化などの成人病予防に効果のあるEPAが豊富で、旬の時季には含量が増します
イワシEPA、DHAという脂肪酸を多量に含み、刺身やすしなどの生で食べるともっとも効果的に摂取できます
サヨリ光ものの、タネですが、栄養的には白身の魚とほとんど同じで、脂質が少なく、高たんぱく低カロリーです
赤貝身に鉄分を多く含み、貧血に効果があります
青柳オレンジ色の身の色はカロチノイド色素によるもので、ビタミンAの効果が期待できます
アワビコレステロールが多いと思われていますが、意外に少なく、鉄分やタウリンが多く、カロリーは少ないタネです
ホタテ貝イノシン酸、グルタミン酸などの旨み成分をたっぷり含む貝で、たんぱく質が多く、コレステロールを減らすタウリンも含みます
ミル貝カリウムをはじめ、ミネラル分を多く含みます
トリ貝貝類の中ではたんぱく質の含量が多く、人の体内に入るとバランスの良い必須アミノ酸に変化します。鉄分やタウリンも含みます
タコ以前はコレステロールが高いと敬遠されていましたが、タウリンが豊富なので心配する必要はありません。タウリンの働きで、疲労回復に効果があります
アナゴビタミンAの素晴らしい供給源となるタネです。煮つめをぬると、ややカロリーが高くなります
シャコビタミンB1、B2の含有量が優っています
クルマエビコレステロールが多いですが、同時にコレステロールを減らす働きのあるタウリンも含むので安心して楽しめます。高たんぱく、低脂肪で、カルシウムも多めです。
オドリエビ類に含まれるタウリンは水溶性なので、生のまま食べるオドリは100%の効果が期待できます
甘エビ低カロリーで、コレステロールはクルマエビの半分といううれしいタネです
イカイカ類は、どれも良質のたんぱく源です
イクラ栄養価が高く、たんぱく質や鉄、ビタミンに富みます
ウニウナギ、アナゴに次いでビタミンAが豊富で、粘膜を丈夫にし、目の疲れにも効果があります。老化防止に役立つビタミンEも多く含みます
玉子焼卵の含む良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルなど栄養価の高いすしです
かんぴょう巻きかんぴょうが注目の食物繊維を多く含むので、醤油をつけずにそのまま食べたい巻物です
カッパ巻ダイエット向きの低カロリーのすしです。胡瓜には利尿作用のあるカリウムが多く含まれます
鉄火巻マグロ赤身の良質なたんぱく質と鉄分に加え、海苔のミネラルやビタミンAも摂取できるので、バランスの良いすしです


用語解説
※EPAイコサペンタエン酸の略。背の青い魚に多く含まれ、血中コレステロールや中性脂肪を減らして動脈硬化を防ぐ作用があります。最新の研究では、発ガン抑制作用も注目されています。
※DHAドコサヘキサエン酸の略。食品では魚介類のみに含まれます。人間の脳に欠かせない重要な物質で、頭の働きを良くし、ボケの予防と治療にも効果があることが判明しています。
※タウリンアミノ酸の1種で、コレステロールを減らす作用で知られるほか、中性脂肪を減らしたり、血圧を正常に保つ働きもあります。タウリンがコレステロールの 2~4倍含まれているとコレステロールの影響はないといわれており、この条件を満たすのがエビ、イカ、タコ、貝類、光ものなど。タウリンは水溶性なので、生のまま食べるすしはタウリンの効果がフルに期待できます。
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